マイホーム成功の鍵、 資金計画とライフプランニング

マイホーム購入を考えるうえで、避けては通れない住宅ローンや資金計画。今回はゲストにファイナンシャルプランナーの幸賢俊さんを迎えて、マイホームに関する予算の考え方、ライフプランニングの重要性について分かりやすく説明します。

マイホームの資金計画やライフプランは誰に相談するのが良いのでしょうか?

柳井:住宅の営業マンは、もちろん自社商品の金額に合わせて、資金計画、ライフプランをお客様にご提案します。そこで分かるのは、あくまで家を建てるための資金であり、住宅ローンの返済額。

家が欲しいのはもちろんですが、子どもの教育資金や定年後の蓄えも必要なご家族がほとんど。その分も考えなくてはいけませんよね。

幸:その一方で、保険会社の営業マンにマイホームのライフプランを任せると、「保険を売りたい」がメインになってしまい、マイホームの予算をできるだけ下げて、様々な保険にたくさん入ることを勧められてしまう。マイホームの購入が本題だったのに、保険に入ることの優先順位が高くなってしまうのです。

だからこそ、住まいのプロ、資金計画のプロにバランスよく相談して、ちゃんと客観的な視点で意見をもらうことが大事だと思います。

柳井:近年、病院で受診する際、セカンドオピニオンという考え方が重要視されています。ひとつの病院だけでなく、別の病院の診断も仰ぐことでベストな治療方法などを決めるスタイルです。

マイホームに関しても、ハウスメーカーが提案する資金計画だけを鵜呑みにするのではなく、私たちのような中立性のある機関に相談することで、予算と希望する住まいのバランスなどが検証できるのではないでしょうか。

マイホームを検討するうえで家族で話し合うこと、考慮するポイントは?

幸:ファイナンシャルプランナーの立場から言うと、まず、マイホーム購入を検討されている方の本当の目的を明確にするというところから始まります。例えばお子さんが喘息気味なので、自然素材にこだわった家に暮らしたいとします。そうなるとマイホーム購入の予算は上がりますよね。

月々の住宅ローンを無理なく支払うために、家計の見直しを行う必要があります。食費や娯楽費、お小遣いを削ってばかりいると、毎日の生活を我慢するばかりになってしまいます。だからこそ保険やその他のローンの見直しなども含めてライフプランニングした方がいいのです。

柳井:どうしてもマイホームは大きな買い物なので、家が建つ前までは打ち合わせや検討を繰り返します。でも案外、その後のランニングコストを考えている人は少ないんです。10年ごとに外壁や屋根の修繕、リフォームにお金がかかる可能性はあります。それも含めて資金計画をしたほうがいい。そうしないと、旅行に行けない、車も買い替えできないような生活になってしまう。

マイホーム購入時にアフターサービスや保証もしっかりとチェックしてほしいですね。

家づくりと向き合うみなさんにアドバイスはありますか。

幸:マイホーム購入時だけでなく、その先のリアルな暮らしを考えるライフプランニングを専門家とともに組み立てていきましょう。

今は子どもが一人のご家族が、二人目を授かると、奥様が産休に入ることで収入が少なくなることは想定できます。じゃあ、どうするのかをしっかりと事前に考えておけば安心ですよね。ハウスメーカーや金融機関は、今、払えるお金の話が中心なのです。でも、ご家族は将来まで見据えた資金計画を立てる必要があります。

柳井:ハウスメーカーや商品を選ぶ前に、なぜ、この家が気に入っているかと言う「価値観」や「理由」を大切にして欲しいですね。それがはっきりすれば、別のメーカーでコストを落としてもマイホームの理想を叶えることができるかもしれません。

我が家に愛着があればこそ、ライフプランに沿ってずっと大切に暮らしていけるのだと思います。